「やることがねぇんだもん」というスーパー銭湯のニーズの話

  • 2021-05-18
  • 2021-05-18
  • 雑記

今日は久々に雑記ブログ。

昨日、水戸市内のスーパー銭湯に行った。私はサウナが好きなのでサウナを楽しんだ後に、露天風呂に浸かりながらゆっくりしていた。

同じく露天風呂に来た70代の朗らかな表情の高齢の方と少し会話をした。

最初は平日に一人でスーパー銭湯に来ている若者が珍しいのか「休みなのか?」とか「仕事はなにやってんの?」とか聞かれて、一通り答えた。

こういう時に、普段バーでカウンターでお客さんと話している職業病なのか、「こちらも何かこのおじさんに質問をして会話を盛り上げないとな」という気持ちになった。(本当は風呂屋なのでそんなに気を使う必要は無いのだけど)

私も聞かれた事と一通り同じような質問をして、このおじさんは仕事を定年退職して、年金で生活している70歳の男性である事を聞いた。

何気なく「ここにはよく来るんですか?」という質問をしたら、こんな答えが帰ってきた。

「うん、よく来るよ。だってやることがねぇんだもん。風呂とゴルフしかやることがない。」と、おじさんは大きく笑いながら答えてくれた。

私も笑いながら聞いていたんだけど、風呂上がりにおじさんとの会話を思い出していると、これは大きなニーズなんだなと思い始めた。

「やることがねぇ」というニーズ

「やることがねぇ」というニーズが、この世界にはある。

私は「あれもやりたいし、これもやりたい。あれも見たいしこれも見たいし、あれも読みたいしこれも読みたい。時間が足りない。」とずーっと思ってきたし今も思っているタイプなんだけど、実は世の中には「やることがねぇ」という人は想像以上にいるんだよな。とハッとした。

私のこんなブログを読んでいるあなたのような人は、おそらく好奇心が旺盛なので、「やることがねぇ」という気持ちになる人は少ないかもしれない。

TwitterやらInstagramやらYouTubeは、社会の事や自分の仕事、あるいは趣味に対して積極的な人ばかりだ。私が常にチェックしているSNSはそういう人ばかりが集まった特殊な場所である。という事を改めて理解しないといけないな。

むしろスーパー銭湯に通うおじさんのように、「やることがねぇな~」という動機から「時間や寂しさを埋めてくれる何か」を求める人は存外に多いのだと思う。

そのニーズに対して、スーパー銭湯やゴルフは丁度いい娯楽を提供しているのだな。と思った。

何となく健康に良さそうだし、そこまでハードじゃないし、適度にコミュニケーションも取れる。

思えば、PublicBarに来てくれる人の中にも、そういう思いを少なからず抱えてお酒を楽しんでいる人もいるのかもしれない。

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ビジネスの1つのヒント

「茨城ではやることがねぇ」というのは、ビジネスの1つのヒントになる気がしている。

「やることがねぇ」という人に対して、やる事を提供する。有意義っぽい時間や適度なコミュニケーションを提供する。たぶん高齢化が進む日本や茨城では、より大切になってくるんだと思う。

どうしても自分が何かを新しい事をやろうとすると、ターゲットを自分に近い人に設定してしまいがちだけど、こういうおじさんのニーズをちゃんと言葉にして、サービスに変えていくというのも有りなのかも。とか思ったりする。

私はもともと「意識低い系の人のためのサービス」をいつかやりたいなと思っていたので、それとも通ずるのかもしれない。※意識高い人は忙しいし、そもそも数が少ないからね!!

ただ、そういう人が何から情報を得ているのか。とか、どんなマーケティングが重要なのか。とか、そういう所をゆっくり観察していかないとな。あのおじさんからもっと色々聞けばよかったな。と、少しだけ後悔している。

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