新型コロナウイルスの影響で各種イベントの中止・自粛が相次いでいる。
その煽りを受けて時間を持て余した人のために、Amazonプライムで見れるオススメの映画12作品(邦画6作品、洋画6作品)を紹介したい。こんな時は家で映画でも見よう。
ちなみに、Amazonプライムで無料で見られる映画はNetflixでも無料で見られる事が多いので、Netflixユーザーもぜひ。
※2020/2/28時点で無料となっている作品です。
邦画
まずは邦画6作品から。
ディストラクション・ベイビーズ
1時間47分の作品。鬼才・真利子哲也監督、柳楽優弥主演。その他には小松菜奈や村上虹郎、北村匠海や池松壮亮など、今をときめく若手俳優たちが出演。
松山という街で、主人公の泰良(柳楽優弥)が理不尽な暴力を振るいまくって、それに北原裕也(菅田将暉)が乗っかり、より危険な方向に暴力が加速する映画。
暴力に次ぐ暴力な映画なので、そういうのが苦手な人は見ないほうが良い。
この映画の質感、向井秀徳が手掛ける不穏な音楽、最高である。
基本的に柳楽優弥がイッちゃってる役で人をぶん殴りまくる。その時の目が最高。菅田将暉も柳楽優弥の強さにたかるハエみたいな絶妙な演技してるし、巻き込まれる小松菜奈は美しい。
人を殴るシーンでは、映画でよく使われる「ドゴっ!」みたいな効果音じゃなくて「ペチっペチっ」と本当に殴ってる?っぽい音が出てる。実際に結構殴ったり殴られたりしてると思う。
出来れば映画館で、大きな音で見てもらいたいのだが、家のテレビでも十分に伝わる迫力のある映画。刺激的なのを見たい人はぜひ。
海街diary
2時間7分の作品。是枝裕和監督、綾瀬はるか・長澤まさみ・夏帆・広瀬すず出演。
鎌倉の3姉妹が、四女として血の繋がらないすず(広瀬すず)を家族に受け入れる物語。
映画としても質が高いのだが、ほとんど全てのカットが上記4人の美女+鎌倉の景色によって構成されているので、どのシーンを見ても「可愛い」「綺麗」「美しい」という感想になる。なんと幸せな映画。
美女を綺麗な映像でただ眺めるだけで幸せだという、そういう映画だと思ってる。
是枝裕和の変態的フェチズムも要所要所で感じられるのも素晴らしい。
綾瀬はるかみたいなお姉さんが欲しいし、長澤まさみはエロいし、夏帆は可愛いし、若き広瀬すずは未完の大器感があって良い。
男は絶対に見ろ。
葛城事件
2時間の作品。三浦友和が超絶に不愉快な葛城という役を演じていて最高。
一家の大黒柱である葛城(三浦友和)の家族が崩壊していくのを淡々と描いていく。
葛城は「サイコパス」という感じではないんだが、ただひたすらに嫌な男。で、もっと嫌なのがこの葛城という男は身近にいそうな雰囲気であるという事。
自分の価値観を押し付け、それにそぐわなければ怒鳴りつけ、罵倒する。自分が正しいと確信した価値観をアップデートせずに横柄なオジサンになってしまった。
こんな人は、その辺にいる。だから怖い。
妙なホラー映画を見るくらいなら葛城事件を見よ。一番怖い映画。
息子の結婚相手の家族と中華屋に行って、「俺は20年この店に通ってんだよ!」と店員を怒鳴りつけるシーンだけでも見てくれ。
勝手にふるえてろ
1時間56分の作品。大九明子監督、松岡茉優主演。
私の一番好きな女優さん、松岡茉優が松岡茉優らしさを爆発させている作品。
脳内片思いをしていた”イチ”(北村匠海)と、自分にアプローチしてきた”ニ”(渡辺大知)の間で恋心が揺れ動いて妄想や自意識を爆発させる。
松岡茉優のために脚本書いたのでは?と思ってしまうくらいにハマり役。
女性の監督ならではの、女性の機微や知られざる偏愛を絶妙に描いているのも素晴らしい。
私の好きな俳優・渡辺大知の演技も良い。
気楽にサクッと見れる作品。
そこのみにて光り輝く
呉美保監督、綾野剛・池脇千鶴・菅田将暉出演。
函館を舞台に、バラック小屋で過ごす拓児(菅田将暉)と千夏(池脇千鶴)の姉弟、そこに絡む達夫(綾野剛)で物語が進む。達夫と千夏は恋に落ちる展開なのだが、千夏や拓児には複雑な事情があって、シビアな現実が立ちふさがる。という物語。
気だるい綾野剛は格好良いし、絶妙にだらしなくてエロい池脇千鶴も素晴らしいが、何より菅田将暉の本気が垣間見える映画。
たぶん私はこの映画で菅田将暉の存在を知ったし、一発で凄みを知った。
全体的に落ち着いたトーンで物語が進むが、胸を締め付けられるようなシーンがそこかしこに仕込まれている。また、くすんだ情景が続く中でラストシーンの日の美しさが映える。
オススメの作品。
重力ピエロ
1時間59分の作品。伊坂幸太郎原作、 森淳一監督、加瀬亮・岡田将生主演。
加瀬亮と岡田将生が兄弟の役だけど、物語が進むに連れて家族の色んな謎が明らかになっていくミステリー?っぽい作品。
めちゃくちゃ面白い映画かと言われるとそうでもないんだが、若き日の岡田将生がとにかく美しい。格好良い。岡田将生は顔も良いけど声も良いんだ。と、この作品を見た時に思った。
声フェチな女性はヘッドフォンなんかを付けて、ASMR的に岡田将生の声だけを楽しんでも良いんじゃないかな。
若き日の岡田将生が伊坂幸太郎作品特有の、偉人の言葉なんかを引用して喋る所なんかは可愛い。
洋画
次は洋画6作品。
はじまりへの旅
1時間59分の作品。マット・ロス監督、 ヴィゴ・モーテンセン主演。
アメリカの山奥で、現代社会と隔離されて行きていた家族が、都会で行われる母の葬式に向かう物語
めっちゃくちゃ面白い。こういう映画、大好きなんだよ。
現代社会とは違う”教育”を ベン・キャッシュ(ヴィゴ・モーテンセン)から受けた子供たちは頭脳明晰、サバイバル能力も格闘能力も満点。夜には家族で焚き火を囲み、読書をして音楽を奏でる。
そんな生活を送っていた。
例えば、小さい末っ子の女の子が「性交ってなに?」とお父さんに聞くシーンがある。日本の家庭なら親が返答に困るような場面だ。
そこでこの映画のお父さんは「男性がペニスを膣に入れることだ」とちゃんと答える。
お父さんの施す教育に嘘は無く、ごまかしも無い。「子供には理解出来ない」と誤魔化す事もしない。
そんな家族が”現代社会”と接した時、どう変わるのか。そしてどんな母の葬式を迎えるのか。
万人におすすめできるテイストなので、ぜひ多くの人に見てもらいたい映画。
わたしは、ダニエル・ブレイク
1時間40分の作品。ケン・ローチ監督作品。第69回カンヌ映画祭パルムドール受賞作品。
イギリスのニューカッスルで働くダニエル・ブレイクというおじいさんが、持病で働けなくなり国の援助を受けようとするも、複雑な制度の前に援助を受ける事が出来ない。
そんな中でもダニエル・ブレイクはシングルマザーの家族を助け、人のために動くが、現実は厳しく……という物語。
社会派のあなたにオススメ。
決して軽い話ではないし、この世界のどこかで起きている話だからこそ、苦しさが切実に伝わる。ケン・ローチという人は、この現代社会の持続性に常に疑問を持っている。そんな彼のメッセージを受け取りたい作品。この社会に本当は響いているはずの悲痛な叫びに、耳を傾けたくなる。
こちらも大好きなテイストの作品。
きっと、うまくいく
2時間51分の作品。ラージクマール・ヒラニ監督作品。近年のインド映画の傑作。
エンジニアを目指す天才が集う超難関大学での3バカトリオのアレコレを描いたコメディ作品。
3バカトリオ、とか書いたものの、主人公のランチョーという男が非常に頭脳明晰かつ学歴社会に対して批評的な姿勢を持っており、痛快な場面をコミカルに描いてくれる。
インド映画特有のミュージカル演出はあるし、尺は3時間もあるし、という事で手を出しづらい作品だとは思うが、面白いものは面白い。
爽やかさと痛快さと知性を持った稀有な作品。
ハクソー・リッジ
2時間19分の作品。メル・ギブソン監督作品。
沖縄戦を描いた作品ではあるものの、主眼は”衛生兵”として武器を持たずに戦場に赴いた兵士を描く。
私自身、この映画を見るまでは恥ずかしながら「良心的兵役拒否者」に対する知識が浅く、このような人がアメリカで勲章をもらっていた事すら知らなかった。
武器を持たない事を信念に持った兵士もいた事、沖縄戦でそんな兵士が多くの命を救っていた事。この映画が無ければ知ることは無かったと思う。
勉強になるという意味でも、見ておいた良かった作品。
母なる証明
今をときめく「パラサイト 半地下の家族」でアカデミー作品賞を獲得したポン・ジュノ監督の作品。韓国映画。
殺人犯の犯人に仕立て上げられそうな息子のために、母親が真犯人を探そうと動くが……というストーリー。
オープニングからエンディングに至るまで、音、光、演出、全てがハイクオリティに纏められている。
血やバイオレンスの要素も少しあるので、苦手な人はやめたほうが良いかも。
ラストシーンの美しさは今でも鮮明に記憶に残っている。
アイアンマン
言わずとしれたアイアンマン。MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)作品の第1弾。
ジョン・ファヴロー監督、ロバート・ダウニー・Jr主演。
これはもう説明不要でしょう。
何も考えずにボケっと何か見るならアイアンマンで。もしMCU作品を見てないなら、なおさら。
アイアンマンの愛される所は、トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)が自分でアイアンマンのパワードスーツを作る所。バットマンみたいに誰かに作ってもらったりするのではなく、DIYなのだ。アイアンマンは。
そこが最高に男心をくすぐる。何度見ても楽しい。それがアイアンマン。
その他のオススメ
その他のオススメは順不同で羅列しておこう。参考までに。
- 愛のむきだし(園子温監督)
- 冷たい熱帯魚(園子温監督)
- 湯が沸くほどの熱い愛(中野量太監督)
- 万引き家族(是枝裕和監督)
- 何者(三浦大輔監督)
- サイタマノラッパー(入江悠監督)
- 百円の恋(武正晴)
- タクシードライバー(マーティン・スコセッシ監督)
- パシフィック・リム(ギレルモデルトロ監督)
ざっと見た感じこんな感じかな。アマプラの洋画のラインナップは結構いまいちかもしれない。