2024年ベトナム旅行記-Day1-

2024年10月にベトナムへ行ってきた。このブログが次回自分が行く時、あるいはどこかの誰かの旅行の参考になったら幸い。

「なぜベトナムなのか」というと特に理由は無かったのだが、「夏休みを取っていなかったので時間がある」「行った事がない」「安く行ける」の3点でベトナムに行ってみる事にした。

日程は8泊9日。この日程で北部の首都ハノイから南部の大都市ホーチミンまで、1800kmベトナム縦断する事だけは決めていた。

縦断する事は決めていたけれど、具体的な移動手段はあまりリサーチしておらず「なんとかなるだろ」と、とりあえず飛行機だけ予約してベトナムへ向かった。

所持金

ベトナムへ向かう上で「いくら持っていけばいいのか?」という事についても、私は全然リサーチしていなかった。(これが後に後悔に繋がる)

去年ベトナムに行った事ある友人が「日本円で3万持っていけば3泊4日くらいは足りたよ」と言っていたので、それだけを頼りにとりあえず日本円で現金4万円を持って行く事にした。

最悪現金が尽きたらクレジットカードでキャッシングもできるだろ。と思っていた。そもそもクレジットもある程度使えるはずだ、とも思っていたので全く心配していなかった。

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1日目:ハノイ着・空港でやる事

ナイキのバックパックひとつと貴重品を入れるウエストポーチ、現金4万円を持ってベトナムの首都ハノイに到着した。

到着したのは現地時間で夜の8時。この日は少しお酒だけ飲んで宿に泊まろう。そういう計画だった。

ハノイの空港に降り立つと、まずやらねばならない事がある。

「ベトナム現地で使うレンタルSIMを買う事」と「現金4万円を両替する事」だった。

空港につくと「SIM」「exchange」とそこかしこに書いてあるので、どの店でお願いすればいいのか分からず2分くらい彷徨った。

空港を彷徨っていると当然色んな店から「オニイサン、SIMアルヨ!」みたいに声をかけられるのだが、とりあえず店先に書いてある数字を見ながら彷徨ってみた。

するとある店でSIMをお願いしている女性を見つけた。

その女性は飛行機の隣の席だった女性だった。少しだけ話したんだが、日本で働いてる日本語が上手いベトナム人の女性だった。一時帰国するためにベトナムに行く、という感じだった。

「ベトナムの人が選ぶ店なら悪い店って事は無いだろう」という事で、その店でSIMを無事GETできた。

ついでに両替のレートを聞いてみたら、周りと比較しても悪くなさそうだったので両替もお願いした。

するとその店の人が「ホテルまでのタクシーも手配するよ?」と言ってきたのだが、それは何となく断った。

次は宿までのタクシー。

私はこの時点でまぁまぁ疲れてたので「声をかけてくるタクシーに乗っちゃってもいいかな」と思っていた。

というか「面倒くさいからさっきのSIMの店に手配してもらうので良かったな」と後悔しかけていた。

色んな人から「タクシー!タクシー!」と声をかけられる中で、一人のタクシー運転手に声をかけられて金額交渉をした。

しかし交渉が成立しかけたその瞬間に視界の隅に入ったオジサン(おそらく同業のタクシー運転手)が私の方を見て首を振っていた。「そいつはやめとけ」というメッセージだと感じた。

「ごめん、忘れ物した!」と言って逃げる事にした。ありがとうオジサン。リスクは回避できた気がする。

次の手段。ベトナムではGrabという配車アプリがあって、それである程度相場通りの値段で移動する事ができる。

事前に友人から「Grabのバイク移動が一番安い」と聞いていたので、バイクを手配したかったのだが、空港では車しか拾えなかった。(どうやら空港に関してはバイクの配車がNGっぽかった)

初めてのGrabに悪戦苦闘しながら、なんとか配車する事ができた。

結果的にはGrabはSIMの店が手配すると言ってきた金額よりも、交渉していたタクシーの運転手よりも安かったので「何も分からない時ほどこういうサービスを使うべきなんだな」と学びを得た。

しかし一番のファインプレーは首を振って何かを教えてくれたオジサン。っていうか、あのオジサンに頼んでいたら良かったのでは?でも結局それもGrabよりは高いのか?とぼんやり考えながら宿までハノイの夜景を眺めていた。

1日目:ホステル着とリヴァプールおじさん

Grabのタクシーに乗り、初日の宿に到着した。

初日の宿はハノイ市街にある「Drift Backpackers Hostel」というホステルを予約していた。

ベトナムの宿の相場だけは事前に調べていて、

  • ドミトリータイプのバックパッカー向け宿(ホステル)⇒500円~1000円
  • 日本でいうビジネスホテル(個室)⇒1500円~2500円

おおよそこれくらいなのかな、という印象だった。

最初の1泊は安宿に泊まってみて、それで様子を探ってみようと思った。安宿で十分だと感じるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。

ホステルにチェックインすると、思ったよりも清潔で寝るだけなら十分な環境だった。

 

日本のドミトリーよりもベッドは広いし、それなりに綺麗だし、枕元にコンセントあるし、Wi-Fiも調子良い。

「ベトナムでは安宿でも良いのかもなー」と思いながら、とりあえず晩ごはんを求めに外出する事にした。

何も分からない中で飲食店を求め宿周辺をブラブラと歩く。

何もリサーチしていなかったのだが、ベトナムで飲食店に困る事は無かった。ベトナムのある程度の都市には凄まじい数の飲食店(露店を含めて)がある。しかも結構夜遅くまでやってる。

歩いている中で一つの小さな店を見つけた。その店は「リヴァプールVSチェルシー」をテレビで流し、腹を出した店主のおじさんとベトナム現地の若いお客さん2人の計3人で静かにそれを見ていた。

「ご飯は無さそうだけど、サッカー見たいしビールありそうだからここにしよう」と思って、「ビールください」と伝えると、腹出しおじさんが無愛想にビールを出してくれた。「観光客が来るのは珍しいな」という表情に見えた。

ビールは小さな瓶ビールをそのまま出す方式で、約100円。

冷蔵庫に入っていたベトナムのビール(ハノイビール)は味が薄く、微妙にぬるかったが、ようやく異国の地で落ち着けたので最高に美味しかった。(後に分かるが、ベトナムの露店で出されるビールは基本的に微妙にぬるい)

一緒にサッカーを見ていた若者、そして腹出しおじさんのリアクションを見ると、どうやらチェルシーではなくリヴァプールが好きっぽい。「リヴァプールが好きなの?」と聞いてみると、やはりリヴァプールが好きだった。その後はベトナム語で話されたので笑顔で交わしたけど何を言ってるのかは全く分からなかった。

腹出しリヴァプールおじさんの店でビールを3杯飲んだ後、試合は前半30分くらいのタイミングで一旦ご飯を食べに行こうと店を後にする。「ご飯食べてからまたサッカー見に来るよ」と英語で伝えたけど伝わってなかった。

近くにはいわゆるベトナム料理の店もたくさんあったけど、私は普通に肉が食いたかったのでBBQみたいに肉を焼いてる店で肉を食べる事にした。

ベトナム1食目は普通に美味しかったが、「まぁ肉を焼くのはどの国でも美味いに決まってるよな」というありふれた感想を持った。

食事を終えるとまた腹出しリヴァプールおじさんの店に。

「おぉまた来たのか、またビールか」という表情で、1回目に行った時よりも表情が柔らかくなっている。

「りんご食べるか?」とりんごをくれた。

私も飲食店をやっているので分かる。

お店の人は「何度も来てくれる」というのが嬉しい。これはノンバーバルなコミュニケーションのひとつだと思うのだが、「初めて」のお客さんはどうしてもお互いに緊張感がある。お互いに何者か分からないからだ。

でも2回目は「この人はうちの店を気に入ってくれたんだな」と自然に推察するし、そうなるとコミュニケーションは1回目よりも柔らかくなりやすい。

腹出しリヴァプールおじさんが少しにこやかに出してくれたビールを飲みながら、またリヴァプール×チェルシーに目を向ける。

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1日目:暴行事件

穏やかにビールを飲んでいるとハノイの洗礼を受ける。

原付きバイクに乗った夫婦が大声で怒鳴りながら店の前にバイクを止めた。

女性は小さな赤ちゃんを抱きかかえいた。男性が女性を怒鳴っている。日本ではまずお目にかからないくらいの勢いで怒っている、いや怒り狂っていた。

お店にいた私を含めた男4人も「ただ事じゃないぞ?」という雰囲気になったが、夫婦間の揉め事か?という雰囲気で全員が様子を見るに留まっていた。

私自身も「これはベトナムでは普通なのか…?」と止めに入るか迷っていた。

しかし怒り狂った男性は怒鳴るだけではなく、ついに女性に手を出してしまった。

更には道端に置いてあった角材を手に取り始めた。

そこで私も店にいた若者たちもおじさんも動き、怒り狂った男を制する事にした。

女性は大声で泣いている。赤ちゃんも泣いている。

腹出しリヴァプールおじさんは極めて落ち着いた対応で、何かを男性に伝えていた。おそらく「警察は呼ばないでやるから帰れ」みたいな事だと思う。

怒り狂った男は最後まで女性を罵倒しながら、バイクで去っていった。

その後、警察を呼ぶか否か、みたいな対応は別途駆けつけた女性の知り合いに引き継ぐ事になった。

一悶着が終わってテレビに目をやると、試合をあと5分で終わろうかというタイミングだった。

しかし頭の中は「あの男は何をそんなに怒っていたのか?」「女性は何をしたのか?」「いや、何をされたとしてもあそこまで怒る事って無いよな」などと考えてばかりだった。

すべてベトナム語で起きた出来事だったので、私には何も分からなかった。

事件が起きた後のビールは更に何も味がせず、私は腹出しリヴァプールおじさんに挨拶して帰る事にした。

ホステルに帰ってシャワーを浴びる。

シャワーはトイレと同じ空間にシャワールームが併設されている。

ホステルのシャワーの水圧は極めて弱く、「さすがにシャワーはちゃんと浴びたいから明日からはもう少し良い宿にしよう」と思いながら1日目は終わった。

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