今年も大阪に行ってきた。
私の応援する鹿島アントラーズを見に行くために、年に数回、関西を訪れる。
関西を訪れる理由は2つ。
茨城空港から神戸空港まで飛行機で行ける事と、関西にはサッカー専用スタジアムが多い事。
私は「飛行機は好きだが電車は嫌い」という人間なので、茨城空港から関西へのアクセスを大変気に入っている。(電車が嫌い、という話もいつかブログに書いてみたい)
自分の車で40分程度車を流せば茨城空港に着くし、茨城空港から2時間もかからず神戸に到着できる。体感では家から2時間で関西に到着するくらいの感覚で、とてもストレスが少ない。
今回も例に漏れず飛行機で神戸まで行き、そこから電車で大阪に移動した。
吹田スタジアムへ
初日(土曜日)は『大阪の兄さん』と私が勝手に呼んでいる大阪在住の鹿島サポの兄さんと一緒に、目的地の吹田スタジアムに向かう事になっていた。
大阪の兄さんいわく「吹田スタジアムはチャリの方が良い」との事だったので、阪急の茨木市駅に待ち合わせをした。
茨城に住んでいる私からすれば、阪急とか阪神とか、大阪の路線図は全く分からない。全く分からないし、そのくせ私の悪い所は、分からないくせに調べようともしない所。
だから茨木市駅がどこにあって、吹田スタジアムがどこにあるのか、いまだに分かっていない。
とりあえず大阪の兄さんと待ち合わせして、手際よくレンタサイクルの手配をしてくれて、電動自転車のママチャリを借りて吹田スタジアムへ向かった。
スイスイと進む兄さんについていき、「実はちょっと吹田まで遠いんですよ」と言われたが、私はそもそも下調べを何もしていないので何を言う権利もない。「全然余裕っす」とだけ伝えた。
自転車を漕ぐこと20分くらいだろうか、万博公園の観覧車が見えてきた。吹田スタジアムの近くにある観覧車だ。
そのあたりからガンバのユニフォームを着た人が大量にチャリで押し寄せて、昨年訪れたベトナムの光景を思い出すかのようだった。
「いやベトナムか!」と大声で言いたい気持ちを抑えながら、流れに身を任せていたらいつの間にか吹田スタジアムに到着した。
吹田スタジアムでは熱気のこもったゲームを見られて非常に満足度が高かった。選手もサポーターも精一杯やりきったような試合だった。
帰り道と祝杯
また「いやベトナムか!」と叫びたくなるチャリの大群に身を委ねながら、茨木市駅へと向かった。
茨木市駅ではサポーター仲間と合流し、兄さんの案内で1軒目の立ち飲み屋で祝杯をあげた。
そこでひとしきり飲んだあと、兄さんが「河岸変えます?」と言った。
「河岸を変える」。表現としては認識しているが、少なくとも茨城ではあまり聞いたことがない。
私はこういうちょっとした瞬間に大阪を感じる。(チャリでスタジアムに向かう大群でも大阪を感じた)
あと一応触れておくと、「茨城」と「茨木」で読んでてすごくややこしいだろう。私もややこしい。
そんなこんなで2件目、創業50年の古い居酒屋さんに連れて行ってもらった。
海鮮や日本酒を置いてる店で、切り盛りするママと若いお兄さんの2人で営業してる小さなお店だった。
私はこういうお店が大好きだ。瓶ビールと、調子に乗って関西の日本酒をいくつかいただいた。
古い店だけどママの雰囲気が良くて、また訪れたいお店になった。
締めに伊勢うどんを出す珍しいお店で、それもとても美味しかった。
楽しく飲んでいると終電の時間になり回はお開き。宿を取った梅田に向かう。
梅田でもう1軒
深夜12時、梅田に着いたが1人でもう1軒行きたい。
どこに行こうか、と宿の周辺をフラフラと歩いてみる。
路地裏に入り「あそこも楽しそうだな」「ここも楽しそうだな」と迷っていると、1軒良さげなカウンターだけの飲み屋を発見。
ほぼ満席だったが1席空いてそうだったので入ってみる事にした。
ガラガラと戸を引くと、カウンターの中のマスター(女性)と常連さんが珍しそうな顔でこちらを見た。
「おそらくいつも常連さんで賑わってるお店で、一見さんは珍しいお店なんだな」と察した。
私も飲み屋をやっているので、こういう場合の振る舞いは分かっている。
あくまで自分のホームではないから、謙虚に酒をたくさん飲む。自分の話をするんじゃなくて常連さんやマスターの話を聞く。それが飲み屋のアウェイでの振る舞い方だ。
そして何よりも私は鹿島アントラーズのユニフォームを着たまま飲みに来ている。私の評判を下げるのは構わないが、チームの評判を下げるのは避けなけれなならない。下品な飲み方は避けよう。
まずは両隣の常連さんに軽くご挨拶して乾杯し、飲み始めた。
左隣(30代後半の男性)の方は相当飲み慣れてる方のようで、呑兵衛同士すぐに意気投合した。「兄ちゃん、えぇ人やな。鹿島の事はアルシンドくらいしか分からんけど、1杯ショットご馳走するわ」とショットをご馳走してくれた。
右隣の方(50代くらいの男性)はすごくサッカーに詳しくて、鹿島のユニフォームを着ている私とサッカートークをしたかったようだった。
よくよく話を聞くと「フリューゲルスって知ってる?」と聞かれた。なんと横浜フリューゲルスサポの方だった!!(横浜出身の方だった)
そこから90年代の日本サッカーの話を伺って非常に有意義な時間になった。
私は素朴な疑問として「マリノスにFがついて、あとは横浜FCも出来て、そのどちらかを応援する事は無かったんですか?」と聞いてみた。
やはりその人の気持ちとしては、「別物」という気持ちがあったらしい。
その人の表情は昔の恋人を思いだすような、遠い昔の青春を思い出すような、そんな表情だった。
「愛するクラブが無くなる」というのはどんな気持ちなんだろう、と大阪の居酒屋で酔った頭で考える。
好きなクラブを応援して、その夜に酒を飲めるというのはとても幸せな事なんだなと、ありきたりだが改めて感じた。
フリューゲルスサポの方からは日本酒を1合いただいてしまい、3軒目は結局めちゃくちゃたくさん飲んでしまった。
茨木でも梅田でもとても良いお店にも出会えて、良い人にも出会えて、素晴らしい大阪の旅となった。また大阪にサッカー見に行こうと思う。